なぜ給料を得ると財布のひもが緩くなるのか?

給料日になると、いつもに増して購入までのハードルが低くなることは二だろうか?実際月に使用できるのは、ここ程度まで。と決め、毎月使用できる金額に制限をかけ、支出を管理していた。しかし、給料日の週だけ明らかに、支出が増えていた。加えて、自分ではそのように認識していなかった。
無意識の内に、支出が増えているのは何かおかしいと感じた。なので、そのようになってしまった要因を考えてみると、以下の2つの要因があると分かった。
- 心理的要因
- 心理的以外の要因
では、これらはどのような理由で発生するのか?どうすれば防げるのか?それを次以降に書いていく。
心理的要因
報酬バイアス
脳は報酬を得たときに「ドーパミン」という快楽物質を分泌する。仕事を頑張った後に箱の開館を求めて「自分にご褒美を与えたい」と無意識に感じてしまう。「給料日まで頑張って仕事をしたんだから、今日ぐらい自分にご褒美にしてもいいかも。」のように考え、想定よりも使いすぎてしまう。

これの問題点は「何度でもご褒美OK」となりやすく、浪費が慢性化しやすい。というところ。
現在バイアス
将来の利益より、今の快楽を優先しがち。なので、脳が目先の報酬を過大評価し、長期的な損益をうまく想像ができない。となってしまう。「来月がちょっと苦しくなるかも…でもまぁいいか」のように、将来のことをうやむやにしてしまう。

特に給料日直後は、「今」の誘惑に弱くなり、思考が楽観的になってしまう。
一時的な安心感
通帳の残高が、一時的に増えると、人は「以外に余裕があるのでは?」と錯覚してしまう。実際は支払いが控えていても、「なんかお金あるし大丈夫か」と感じてしまう。「手取りが25万入ったし、今月い以外余裕では?」→実際は家賃で8万、クレカ請求5万、思いのほか使用しているが、認識できていない。

錯覚の余裕で、支出が先行し、月末に後悔することに。
社会的比較
他人と自分を比較する心理が働くと、「周囲と同じ、または上に見られたい」という感情が支出の動機となる。「友達が新しいスマホ買ったし、自分もそろそろ買い替えようかな?」のように感じる。

承認欲求に無意識で操られた出費は、本来必要のないものであることが多い。
心理的以外の要因
固定費の支払いタイミング
給料日直後に家賃などの固定費が引き落とされるため、残高が大きく動く。この変化が「残っているお金=自由に使ってもいいお金」と錯覚してしまう。

給料日当日に口座残高が25万円→翌日には10万減→でもまだ15万もある。と錯覚し、使いすぎてしまう。
キャッシュレス決済による実感の薄れ
現金を使うと財布の中身が物理的に減るので、支出を十化しやすい。ですが、キャッシュレスでは数字が変わるだけなので、使っている感覚が鈍ってしまう。コンビニで500円使ったのにスマホ決済やカード決済などで決済した場合、お金を多く使った感覚が無い。

無自覚なちょこちょこ支出が積み重なりやすくなってしまう。
セールやキャンペーンのタイミング
企業側も給料日の行動を分析しているので、このタイミングに合わせてセールや限定キャンペーンを仕掛けてくる。人は限定や今だけという言葉に非常に敏感に反応してしまう。今週末限定ポイント10倍キャンペーンを店側が実施するので、消費者はついついお金を使いすぎてしまう。

消費者心理を突いた戦略にハマりやすくなってしまう。
生活習慣の影響
給料日にプチ贅沢をするのが習慣になると、支出が無意識のルーティンになる。これは習慣的浪費と呼ばれ、改善しづらい特徴がある。毎月25日はご褒美にいいところでご飯にしよう→8,000円も使用してしまうコースに

習慣になるとお金があるかどうか?ではなくそういう日だから使わないといけないと感じてしまう。
具体的な対策
心理的要因への対策
報酬バイアス | 自分のご褒美に上限と条件を作る 月に一回、5000円までのご褒美OKと上限を決める。 ボーナスをもらった時だけ買うなどの条件付にする。 我慢ではなく自分を制御する。自由なご褒美は快楽が麻痺するが、まって得たご褒美は満足感が持続しやすい。 |
現在バイアス | 欲しいものは48時間ルールで一度寝かせる 買いたいと感じたものは、メモして2日間寝かせる。 それでもほしいと感じたら、改めて購入を検討する。 衝動買いの約8割が勢いによるものと言われている。冷却時間を置くだけで、実際は欲しくなかったと気が付くケースはよくある。 |
一時的な安心感 | 可処分所得を見える化する 給料から固定費・貯金・引き落とし予定額を最初に引いた自由に使えるお金を把握する。Googleスレッドシートやスマホアプリで残高を確認。 使っていいお金を明確にすると、錯覚での無駄遣いがグッと減る。安心感で見積するのではなく、正確な見積で行動することができる。 |
社会的比較 | 他人と比較するより、自分の価値基準を育てる 自分にとって本当に大切なことは何か?をノートや日記に書きだす習慣をつける。 他人に振り回されて買ったモノほど満足感がすぐに薄れる。価値観を外注するのではなく、自分の軸を明確にすることが節約の第一歩 |
心理的以外の要因
固定費支払いのタイミング | 貯蓄先取り型+月末締め家計へシフト 給料が入るとまず先に。貯金や投資分を引き、残りで生活する。支出記録は月末締めとして、月の終わりで見直す習慣をつける。 残ったら貯金の考えでは、貯金は残らない。逆に考えて先取り貯金を生活の基準にすると、お金は自然と残る。 |
キャッシュレスの実感の薄れ | 支出の見える化と現金予算化 週単位の使い過ぎ防止に「食費1週間5,000円は現金のみ」などにする キャッシュレスは便利だけど痛みが無い。見える化と制限を組み合わせることで支出感覚を補える。 |
セールやキャンペーンのタイミング | 買う予定がある時だけセールを活用する 欲しいものリストを作成しておき、セール時はリスト内のものだけを買う。 セールだから買うのではなく、欲しかったものが安いから買う。と意識を転換する。 |
生活習慣による支出 | 月1贅沢を作り、ほかは質素にメリハリをつける 毎月25日はちょっと贅沢してもOK→それ以外の日は節約する。コンビニ・外食などの回数は事前に決めて、その範囲に収める。 習慣はなくすのではなく、コントロールする。完全に我慢するのではなく、ご褒美を習慣からイベントに変える。 |
まとめ
給料が入った直後に財布のひもが緩んでしまう。これは、おそらく誰もが一度は経験するごく自然なことです。
仕事のストレスや安心感、SNSの影響など、心理的にも環境的にも使いたくなる理由がそろっている。しかし、だからこそ大事なのは、意志の強さではなく仕組みの工夫が重要となる。
自分へのご褒美をルール化したり、欲しいものを一晩寝かせてみたり、キャッシュレスにひと手間加えて、消費の実感を取り戻すことができる。このように、ちょっとした工夫で財布のひもは自然と締まってくる。
お金を感情で動かすのではなく、仕組みで守る意識を持つことで、月末に後悔しないお金の使い方が少しづつ身についていく。
