暴落は「バーゲンセール」。投資初心者が知っておくべき、株価の変動との付き合い方

こんにちは、ストローです。
あなたは、投資を始めるにあたって、こんな不安を抱えていませんか? 「もし、〇〇ショックのような大暴落が起きたらどうしよう…」 「せっかく投資したお金が、半分になったり、なくなってしまったりするのが怖い…」
その感情は、至極当然のものです。大切なお金を投じるのですから、誰だって損はしたくありません。
しかし、もし、その「暴落」という現象を、恐怖の対象ではなく、「絶好のチャンス」として心から歓迎できるようになったとしたら、あなたの投資家としての人生は、どれほど心穏やかで、そして豊かなものになるでしょうか。
この記事は、あなたが投資につきものである「価格変動(リスク)」の正体を正しく理解し、暴落という嵐を乗りこなすための、具体的で強力な「心のワクチン」を接種するためのものです。
なぜ、株価は日々、変動するのか?

そもそも、なぜ株価は毎日、時には激しく上下するのでしょうか。 その本質は、非常にシンプルです。株価とは、いわば「その企業や市場の未来に対する、世界中の人々の期待や不安を映し出す、巨大な感情のメーター」だからです。
良いニュース(好決算、新技術の開発など)が流れれば、人々の期待は高まり、株価は上がります。逆に、悪いニュース(景気後退の懸念、紛争など)が流れれば、人々の不安が広がり、株価は下がります。
この価格変動(リスク)があるからこそ、私たちはリターン(利益)を得ることができます。もし価格が一切動かないのであれば、それは銀行預金と同じであり、資産が増えることもありません。価格変動は、投資において、避けるべき悪ではなく、リターンの源泉となる、ごく自然な現象なのです。
歴史が証明する「市場のたくましさ」
「理屈は分かっても、やっぱり暴落は怖い」。そう感じるあなたに、一つの強力な事実をお見せします。

上記の画像は、S&P500の資産推移です。このチャートが示す通り、歴史上、世界は幾度となく「もう終わりだ」と思えるような危機に見舞われてきました。その度に、市場は大きく下落し、多くの人が恐怖から資産を投げ売りました。
しかし、結果はどうでしょう。 短期的には激しい痛みを伴いながらも、世界経済は、イノベーションと人々の努力によって、それらの危機を必ず乗り越え、長期的には成長を続けてきたのです。この歴史の事実こそが、私たち長期投資家が持つべき、最大の希望であり、羅針盤です。
暴落時に初心者が陥る、最もやってはいけない行動

歴史が回復を証明しているにもかかわらず、なぜ多くの投資家は暴落で資産を失ってしまうのでしょうか。それは、彼らが「狼狽(ろうばい)売り」という、最も致命的な過ちを犯してしまうからです。
狼狽売りとは、株価の下落に恐怖を感じ、「これ以上損をしたくない」という感情的なパニックから、価格が底値圏にあるにもかかわらず、保有資産をすべて売却してしまう行為です。
これをやってしまうと、一時的な含み損は、二度と取り返せない「確定的な損失」へと変わります。そして、その後の市場の回復局面の恩恵を一切受けられず、ただただ市場から退場していくことになります。
投資で失敗する人のほとんどは、買った商品が悪かったのではなく、辞めるべきでない最悪のタイミングで、自ら市場を去ってしまった人なのです。
最強の戦術:ドルコスト平均法と「バーゲンセール」思考

では、私たちは暴落という嵐に、どう立ち向かえばいいのでしょうか。 答えは、「戦う」のではなく「乗りこなす」です。そして、そのための最強の戦術が、私たちが実践している「ドルコスト平均法(定期的な積立投資)」です。
ドルコスト平均法とは、「毎月1日に3万円」というように、常に一定の金額を、定期的に買い付け続ける投資手法です。このシンプルなルールが、暴落時に絶大な威力を発揮します。
考えてみてください。あなたがいつも買っているお気に入りの商品が、ある日、デパートのセールで「半額」になっていたら、あなたはどうしますか?「ラッキー!」と思って、いつもより多く買おうとするのではないでしょうか。
投資も全く同じです。 株価が暴落している時というのは、優良な資産(全世界株式やS&P500)が、一時的に「バーゲンセール」になっている状態なのです。
- 株価が高い時: あなたの毎月の積立金で、少しの量しか買えません。
- 株価が暴落した時: あなたの同じ積立金で、たくさんの量を安く買うことができます。
積立投資を続けていれば、あなたは意識せずとも「安い時にたくさん買い、高い時には少ししか買わない」という、投資の理想的な行動を自動的に実践できるのです。そして、その後の回復局面で、安く仕込んだたくさんの資産が、あなたの資産全体を力強く押し上げてくれます。
まとめ:最初の暴落は、真の投資家になるための卒業試験
- 価格変動は、リターンの源泉であり、投資における自然現象である。
- 歴史を振り返れば、市場は幾度もの暴落を乗り越え、長期的に成長してきた。
- 暴落時に最もやってはいけないのは、感情に任せた「狼狽売り」である。
- 積立投資を続けることで、暴落は「資産を安く仕込むバーゲンセール」に変わる。
あなたが投資家として初めて経験する暴落は、資産を失う危機ではありません。 それは、恐怖に打ち勝ち、市場に居座り続ける胆力を試される「卒業試験」のようなものです。
この試験を、「何もしない」「いつも通り買い続ける」という冷静な姿勢で乗り越えた時、あなたは本や知識だけでは決して得られない、真の長期投資家としての自信と強さを、その身に宿しているはずです。