【落とし穴!?】新NISAで国債・社債は買うべきか?「1億円の壁」が分ける資産形成の「攻め」と「守り」
 
	こんにちは!「ミニマリズム+新NISA」で月10万円の資産形成を実践しているストローです。
「投資」と聞いて、あなたはまず何を思い浮かべますか?
「元本割れは怖い」 「でも、銀行預金じゃまったく増えない」
そんなジレンマの中で、「国債」や「社債」という言葉が、非常に安全で魅力的な響きを持つかもしれません。「国が発行するなら安全」「大企業が保証するなら手堅い」——。
確かにその通りです。国や有名企業が明日突然破綻する可能性は極めて低いでしょう。その「信用力」は抜群です。
しかし、もしあなたの目的が「新NISAを活用して、資産を”増やす”こと」であるならば、その選択は「待った」かもしれません。
この記事では、なぜ国債や社債が「資産を増やす」フェーズに適さないのか、そして、それらが真の力を発揮する「正しい使い時」について、あなたの資産戦略を深く掘り下げます。
新NISAで債券投資。その「安全神話」に潜む3つの落とし穴

まず、国債や社債の仕組みを簡単におさらいしましょう。これらは、国や企業にお金を「貸す」ことで、満期(お金が返ってくる日)まで定期的に利子(リターン)を受け取る金融商品です。
新NISAで債券に投資する場合、多くは「債券ファンド(投資信託)」を通じて購入することになります。(※個人向け国債は新NISAの対象外です)
「安全だから」とこれらを選ぶ前に、知っておくべき3つの「不都合な真実」があります。
落とし穴1:リターンが低すぎる(資産形成のスピードが出ない)

個人向け国債(変動10年)の金利は、現在(2025年10月時点)で年0.6%程度です。メガバンクの普通預金金利(0.02%程度)と比べれば、遥かにマシであることは間違いありません。
しかし、冷静に考えてみましょう。
私(筆者も新入社員時代から実践しています)のように、新NISAで毎月10万円、年間120万円を投資して「老後の安心」や「サイドFIRE」を目指す目的は、今ある資産を「増やす」ことです。
年0.6%のリターンで、その目標は達成できるでしょうか?
答えは、残念ながら「ノー」です。私たちが目指すゴール(例えば年5%〜7%のリターン)に対して、あまりにもスピードが遅すぎます。
落とし穴2:インフレに負け、実質的に「目減り」する
これが最大の落とし穴です。 たとえば、債券の利回りが「年1%」だとします。しかし、世の中の物価上昇率(インフレ率)が「年2%」だったらどうでしょう?
- お金は1年で100万円 → 101万円(+1%)
- モノの値段は1年で100万円 → 102万円(+2%)
数字上は1万円増えていますが、買えるモノの量は減っています。これは実質的な「敗北」であり「資産の目減り」です。
ミニマリスト的思考で言えば、これは「安全な場所に置いたつもりが、価値が少しずつ漏れ出している」状態です。これは「守り」とさえ呼べません。
落とし穴3:【要注意】金利上昇局面では「値下がり」する

「債券はローリスク」とは限りません。特に「債券ファンド」は、金利と価格がシーソーの関係にあります。
- 金利が上がる → 既存の債券の価値が下がる
- 金利が下がる → 既存の債券の価値が上がる
現在(2025年10月)のように、世界的に金利が上昇し始めている局面では、今、債券ファンドを買うと「値下がり」からスタートするリスクを負うことになります。
「安全」を求めたはずが、株式投資信託と同じように値下がり損を抱えてしまう。これでは本末転倒です。
資産額で使い分ける:「100万円の攻め」と「1億円の守り」

国債・社債が「資産形成に向かない」理由は、そのリターンの性質にあります。 ここで、あなたの資産額を「100万円」の場合と「1億円」の場合で比較してみましょう。
仮に、年2%のリターンが得られる安全な債券があったとします。
- 資産100万円の場合: 年2%のリターン = 年間2万円
- 資産1億円の場合: 年2%のリターン = 年間200万円
同じ「年2%」というローリスクな投資でも、得られる不労所得は天と地ほどの差があります。
年間2万円の収入は嬉しいですが、人生を変えるインパクトはありません。 しかし、年間200万円(月あたり約16.6万円)の収入があればどうでしょう? それだけで生活費の大半を賄えるかもしれません。
あなたの「今」はどちらのフェーズか?
もしあなたが今、新NISAで資産を積み上げている最中なら、あなたの資産は「100万円」に近いフェーズのはずです(あるいは、そこから1,000万円、2,000万円を目指している段階)。
この段階で年2%のリターンを狙うのは、あまりにも非効率です。
私たちが目指すべきは、元本を100万円から1,000万円、1億円へと押し上げる「資産の成長(キャピタルゲイン)」です。 そのためには、債券よりリスクは高くとも、より大きなリターン(年5%〜7%程度)が期待できる「投資信託(インデックスファンド)」こそが、新NISAの枠組みで選ぶべき「攻め」の道具なのです。
国債・社債が「最強の守り」になる唯一のタイミング
では、国債や社債は全くの不要なのでしょうか? いいえ、そんなことはありません。これらは、資産が一定額に増えてから(例えば1億円)、最強の「守り」の道具として輝き始めます。
資産1億円を築いた人が、全額をハイリスクな投資信託に入れたままにするでしょうか? おそらくNoです。市場の暴落で資産が半減(5,000万円減)するリスクは、精神的にも耐え難いものがあります。
このフェーズに至って初めて、「資産を減らさないこと(元本を守ること)」が最優先課題になります。
ここで国債・社債の出番です。 資産の半分(5,000万円)をインデックスファンドに、もう半分(5,000万円)を安全な債券(年2%)に振り分ける。
- インデックスファンド(5,000万円) → 資産の「成長」を担当
- 債券(5,000万円) → 年100万円の「安定収入」と「暴落時のクッション」を担当
このように、国債・社債は、築き上げた資産を守りつつ、安定したキャッシュフローを生み出す「ディフェンスの要」として活用すべきものなのです。
まとめ:新NISAの目的を再確認。「安全」より「成長」を
今回の内容を整理します。
- 国債・社債は安全か? → 安全だが、「インフレ負け」や金利上昇時の「値下がり」リスクがあり、無敵ではない。
- 新NISAで買うべきか? → NO。資産を「増やす」段階ではリターンが低すぎ、非効率。
- 資産形成期にすべきこと → 新NISAの枠をフル活用し、投資信託(インデックスファンド)で「資産の元本」を育てること。
- 債券の正しい使い時 → 資産が十分に増え(数千万円〜1億円)、守りながら安定収入を得たい「資産保全」のフェーズになってから。
「安全だから」という理由だけで、大切な新NISAの非課税枠を「低すぎるリターン(あるいは実質マイナス)」で埋めてしまうのは、あまりにもったいない。
言い方を変えると、これは「目的と手段が一致していない」状態です。
私たちの目的は「資産を増やすこと」。 ならば、今はリスクを取り、リターンを追求する「攻め」の投資信託を選ぶべき時です。
国債や社債という「最強の守備陣」は、あなたが資産形成という試合に勝利した後、ゆっくりと迎え入れましょう。

 
	 
	 
	 
	 
	